「水泳ゴーグルに使う、三つ編みのゴムを作れませんか?」そんなご相談をいただきました。
以前は海外で生産された、おしゃれな三つ編みタイプのゴーグル用ゴムが国内でも流通していたそうです。ところが、海外から入ってこなくなってしまった。競技をされている方の間では需要があったため、「国内で作ることはできないでしょうか?」と森製紐へお問い合わせいただきました。
しかも今回は、実際に競技をされている方からのご相談。既存品を持参していただき、実物を見ながら一緒に考えるところからスタートしました。
まずは、手で編んでみる
実物を確認し、森製紐で検討したのが、丸ゴムを3本使った「三つ編み」でした。太さの違う丸ゴムで三つ編みにできそうな見本を探し、さらにゴーグルへ取り付けるための先端部分をどう処理するか検討。まずは機械で大量に作るのではなく、手組みでサンプルを作ってみることにしました。
商品開発では、最初から量産方法を決めるとは限りません。まず作ってみる。見てもらう。実際に使ってもらう。そこから次を考えます。
ゴーグルだから「水の中」で試さないとわからない
見た目ができれば完成、ではありません。実際に商品として販売するなら、耐久性も確認する必要があります。そこで、「試験用に10~20本ほど作り、実際の選手やコーチに使ってもらってはどうか」という話に発展しました。どんな環境で使ったのか。何時間使用したのか。水泳ゴーグルですから、実際にプールで使ってみなければわからないことがあります。
先端を細くしたい。でも、バラけてはいけない
さらに難しかったのが、三つ編みゴムの先端処理でした。ゴーグルのパーツに通すため、できるだけ厚みを出したくない。でも、三つ編みなので簡単にバラけても困る。そこで接着加工を使い、「できるだけ薄く、でも簡単にはバラけない」状態を目指して試作しました。
ところが、片方はパーツに通っても、もう片方は通らない。試作ではうまくいっても、本生産では両方通らないものができる可能性もあります。そこで、別案として柄入りの一枚物のゴムも検討しました。こちらはパーツには問題なく通りました。
「同じものを作る」だけでは終わらない
今回のご相談は、「海外にあった商品と同じようなものを作れませんか?」から始まりました。でも、実際に進めてみると、三つ編みにする方法。ゴムの太さ。先端処理。パーツへの通しやすさ。締め付ける力。耐久性。量産時のばらつき。確認しなければならないことが次々に出てきました。
ものづくりは、「形になった=完成」ではありません。実際に使ってみて初めて見つかる問題があります。
森製紐では、「以前あった商品が手に入らなくなった」「こんなものを国内で作れないか」「まず試作品を作って試してみたい」といった段階からでもご相談いただけます。できるかどうか。まずは一緒に試してみる。それも、なんでもひも相談室の仕事です。