「ホテルのアートワークに使用する紐を探しています」そんなお問い合わせをいただきました。今回、紐に求められていたのは、何かを縛ることでも、荷物を支えることでもありません。
ホテルのアートワーク制作に使用するため、形状や色、質感を比較したいというご相談でした。
まずは、いろいろな紐を30cmずつ
最初にご希望いただいたのは、
- 江戸打紐
- 組紐
- スピンドル系の紐
それぞれ異なる形状・太さ・色の候補です。完成品を写真だけで選ぶのではなく、実際の素材を並べて比較したいということで、約30cmずつのカットサンプルをご用意しました。その後さらに、別タイプの撚紐についても、複数の色をまとめて確認したいというご依頼がありました。
アートやインテリアでは、紐の強度だけではなく、光沢、撚り方、太さ、表面の凹凸、色の見え方といった要素も、素材を選ぶ基準になります。
写真では分からない「紐の表情」
一口に「紐」と言っても、江戸打紐、撚紐、組紐、スピンドルでは、見た目がかなり違います。表面に凹凸がある。光を反射する。撚りが見える。丸く見える。少し柔らかく見える。同じ色でも、構造が違えば印象が変わります。
特に空間演出では、遠くから見たときと、近くで見たときでも表情が変わります。そのため、色番号だけで決めるのではなく、実物を見ることが重要です。
サンプルから、2色を各50m発注
複数のサンプルを比較していただいた結果、江戸打紐の2色を、それぞれ50mずつご注文いただきました。入金確認後、すぐに発送。
さらに同じ案件で、別シリーズの紐も追加で検討したいとのことで、新たな色サンプルをご依頼いただきました。今度は、実際にデザインを担当されている設計事務所へ、サンプルを直接送付。必要数量が決まれば大量購入も検討されているとのことで、在庫状況についても確認しながら進めました。
欲しい色が「定番にない」こともある
追加検討の中では、希望されていたブルーグレー系の色について、光沢のある撚紐では近い定番色が見つからないケースもありました。
素材選びでは、「この色が欲しい」と思っても、紐の種類まで指定すると、必ずしも同じ色が存在するとは限りません。逆に、色を優先するのか。光沢を優先するのか。紐の構造を優先するのか。どこを動かせるかによって、選べる素材は変わります。
そして、同じ2色を再発注
この案件では、最初に購入された江戸打紐について、後日、「前回と同じものを急ぎで追加したい」という再注文もいただきました。
最終的にどのようなアート作品として施工されたのかまでは、残っている記録から確認できません。ただ、複数の素材を比較し、実際に購入、さらに同じものを追加購入いただいたところまで確認できています。
紐は、空間デザインの素材にもなる
紐の用途は、結ぶ、吊るす、締める、だけではありません。ホテル、店舗、展示会、イベント、舞台、ディスプレイ、アート作品。空間演出の中で、色や太さ、質感を持った線材として使われることもあります。
- 「こういう雰囲気の紐を探している」
- 「数種類を並べて比較したい」
- 「写真では決められないのでサンプルが欲しい」
という段階でもご相談ください。
なんでもひも相談室。今回は、ホテルのアートワークに使う素材として、さまざまな紐を比較したお話でした。