「ゴム紐を使って、消しゴムケースを作れませんか?」商品開発をされているお客様から、そんなご相談をいただきました。
最初にいただいたイメージは、中が空洞になった円筒状のゴムの中に、消しゴムを入れる形。お問い合わせには、「ちくわのような形状」と書かれていました。
ゴム紐といえば、結ぶ、留める、伸ばすといった用途を想像しがちです。今回はそのゴムを、消しゴムそのものを包むケースとして使えないかという商品開発のご相談でした。
「文章だけでは分からないので、マンガ図でも構いません」
最初の文章だけでは、完成形を正確にイメージするのが難しい部分がありました。そこで弊社から、「マンガ図でも構いませんので、イメージされている形状が分かるものを見せてください」とお願いしました。
後日、お客様からイメージ図が届きます。そこでようやく、「どんな形にしたいのか」「どこを縫えば作れそうか」が具体的に見えてきました。
ゴムを縫ってから「ひっくり返す」
今回考えた方法は、平たいゴムを使って筒状にする方法でした。ゴムの表面同士を合わせて縫製し、そのあと輪になったゴムをひっくり返す。そうすることで縫い合わせた部分を内側に入れ、外側をすっきり見せる構造です。
ご希望されていた寸法に近い46mm幅の定番品はなかったため、既製サイズの約50mm幅のゴムを使って確認見本を作ることになりました。最初から専用材料を作るのではなく、まず既製材料で構造を確認する。商品開発の初期段階では、こうした進め方も有効です。
試作品は一種類ではなく、縫製方法を2種類
さらに今回は、「とりあえず形になればいい」という試作ではありませんでした。その後の量産方法まで考え、縫製方法を変えたサンプルを2種類ご用意しました。
商品として販売することを考えると、試作品が一個作れるだけでは足りません。
- 安定して同じ形を作れるか
- 作業しやすいか
- 縫製に時間がかかりすぎないか
- 数量が増えても対応できるか
- 商品価格に合うコストにできるか
試作の段階から、量産を想定した加工方法を考えていきました。
そして、実際の商品へ
この相談は、サンプルを作って終わりではありませんでした。その後も打ち合わせや開発が進み、最終的には、布製のケースで消しゴムを包む商品として発売されました。
商品開発は「こんなもの作れませんか?」から始まる
商品開発の最初から、正式な図面。素材。加工方法。寸法。すべてが決まっているケースばかりではありません。今回もスタートは、「消しゴムを入れる、ちくわみたいなゴム」というイメージでした。でも、そのイメージを共有し、一つずつ形にしていくことで、実際の商品へとつながりました。
文具、雑貨、生活用品、ノベルティなどの商品企画で、「ゴムやひもを使って、こんなものが作れないだろうか」というアイデアがありましたら、完成した仕様書がなくてもご相談ください。手描きの図ひとつ。「こんな感じ」という一言。そこから始まったものが、本当に売り場に並ぶ商品になることもあります。