※この記事は、過去に実際にいただいたお問い合わせをもとに、個人や企業が特定されないよう内容を一部編集してご紹介しています。現在とは取扱商品や仕様、価格などが異なる場合があります。

「パスケースに取り付ける紐を、30個ほど作れませんか?」そんなお問い合わせをいただきました。ご希望は、

  • 黒色
  • 太さ約2mm
  • 全長約570mm
  • ナスカン付き
  • できれば現物と同じ仕様
  • 数量は約30個

というストラップでした。現物もお持ちとのことで、「難しいようなら、用意できる材料と方法で提案してもらっても構いません」というご相談です。そして、この「30個」が今回の大きなポイントになりました。

現物と同じナスカンは、最低1,000個

まず画像を確認したところ、現物と同じナスカンを使用する場合、部品のロットが1,000個必要になることが分かりました。

欲しいストラップは30個。でも、金具だけ1,000個仕入れなければならない。

これでは、今回の商品数量には合いません。そこで、「現物とまったく同じものを作る」のではなく、30個でも手配できる部品を使って、必要な機能を再現できないかという方向で検討することになりました。

現物を送ってもらい、構造を確認

写真だけでは細かな構造まで判断できないため、実際の見本を送っていただきました。確認したのは、

  • ナスカン
  • リング
  • 紐
  • 端部
  • 輪になっている部分
  • パスケースへの取り付け方法

です。その結果、今回の小ロット仕様として、ナスカン+Oリング+黒の江戸打紐+丸紐用の樹脂パーツを組み合わせる方法をご提案しました。

紐は約62cmにヒートカット。現物とまったく同じ輪加工はできないため、輪の部分については樹脂パーツを使う仕様です。

現物と同じものが作れなくても、同じ使い方を目指す

小ロット製作では、「現物とまったく同じ部品を使う」ことが難しい場合があります。今回も、金具の最低ロットが数量に合いませんでした。でも、お客様が本当に必要としているのは、「同じナスカン」そのものではありません。必要なのは、パスケースへ取り付けられて、ストラップとして使えること。

そこで、部品を変更しながら、できるだけ用途に合う仕様を組み直しました。

輪っかの長さも指定できますか?

見積後、さらに重要な条件が分かりました。このストラップは、紐の輪になった部分をパスケースの鳩目に通し、その輪の中へナスカンをくぐらせて取り付ける構造でした。そのため、輪の長さも重要です。お問い合わせいただいた結果、この輪部分については生産時に長さを調整できると回答しました。

小さなストラップでも、総長さだけ決めれば完成、ではありません。どこに取り付けるのか。どうやって固定するのか。輪が何cm必要なのか。実際の使い方まで分かることで、必要な仕様が見えてきます。

小ロット対応には注意点もある

今回の30本仕様では、小ロットでも対応できるよう、すぐに用意できる在庫材料を使ってサンプルを作りました。そのため、追加生産の場合には、同じ材料が十分に確保できない可能性もあります。また、今回使用した材料について、特定用途向けの検査データが用意されているわけではありませんでした。

つまり、「30本作れる」ことと、「いつでも同じ仕様を大量生産できる」ことは別です。試作や小ロット製作から量産へ進む場合には、改めて材料や部品の供給条件を確認する必要があります。

翌年、今度は50個で同じ仕様の相談

その後、同じ仕様をベースに、今度は50個で再度見積してほしいというお問い合わせもいただきました。

一度サンプルを作って仕様を整理しておくと、次に同じような案件が発生したとき、ゼロから考え直す必要がありません。これも、小ロット試作のメリットの一つです。

パスケース・手帳・小物用ストラップの小ロット相談も

パスケース、社員証ケース、手帳、ポーチ、バッグ小物、ノベルティ。こうした商品に使うストラップで、

  • 「現物と同じものを30本だけ作りたい」
  • 「金具の最低ロットが大きすぎる」
  • 「完全再現でなくてもいいので、小ロットで作れる方法を探したい」
  • 「輪の長さまで指定したい」

という場合もご相談ください。現物、写真、参考品などがあれば、同じものを作る方法だけでなく、“同じ使い方ができる別の作り方”も含めて考えます。

なんでもひも相談室。今回は、「欲しいのは30個。でも金具は1,000個から」というところから始まった、小ロットストラップ製作のご相談でした。